JULY.22.2016

第8回 ワーキング・グループ at 1→10design(東京)レポート

6月22日(水)、「第8回 ワーキング・グループ at 1→10design(東京)」が開催されました。

1→10design(以下、1-10)の東京オフィスは、東京湾ウォーターフロントの天王洲アイル駅の高層ビル、天王洲ファーストタワーにあります。1-10はどんな働き方をしているのでしょうか?

まず、1-10の中屋氏から会社組織についての説明。本社のある京都に約60人、東京に約90人の社員が在籍。1-10はグループ企業で、海外には上海とシンガポールに現地法人があります。現在の1-10は、デジタル中心のデザインが中核。このホールディングスの傘下には、広告クリエイティブの1-10 Design。IoT関連の1-10 Drive。ロボット関係の1-10Robotics。空間プロデュースの1-10 Inspirate。スポーツ関連のSports is goodなどがあります。

各グループの共通の方針は「1-10は体験を生み出すというフィロソフィー(哲学)がある」ということ。ウェブ、モバイル、ロボット、プロダクト、インスタレーションというデジタル表現を通して、どんな体験を生み出すかを重要視しながら制作しているそうです。

体験を生み出すフィロソフィー

続いて、数々のワークスの紹介に。「PEPSI STRONG BAR」は、VRを使った体験型インスタレーション。原宿に特設のバーを開設。その中でヘッドマウントディスプレイのオキュラスを着けて、ディスプレイ内で巨大な鬼と鬼ごっこを体験するという内容。新しい技術が話題を呼び、13日で2万5千人以上が来場しました。

ソードアート・オンライン ザ・ビギニング」は、オンラインゲーム「ソードアート・オンライン」の世界観を、VRの世界で3Dスキャンデータなどを使ったPR企画。限定二百人のイベントに数万人が応募してニュースにも取り上げられたそうです。

冬を楽しむインタラクティブアート 雪とくらげ」は、京都水族館で展示されたインタラクティブアート。こちらは、通常の広告案件ではなく、体験重視のアトラクションとして提案されたプロジェクト。このシステムを応用して桜をテーマにした作品も制作したそうで、季節問わず応用が効く作品です。

MOSH!」は、シンガポールのエデュケーション施設におけるアトラクション。展示された作品は、スクリーンに前で万歳すると、スクリーンに花火が上がる「花火大会」や、描いた絵をスキャンするとディスプレイの中を泳ぎだす「お絵かき水族館」のほか、物を置いたり手を置いたりすると動く「かくれんぼテーブル」など、盛りだくさん。シンガポールの子供からも大きな反響があり、国籍を問わずに楽しめる作品となったようです。

プロジェクト・マネージメントの現場

1-10プロジェクトマネージャー伊藤さんから、「絶対に失敗しないプロジェクトマネージメント インスタレーション案件編」と銘打ったプレゼンテーションがなされました。これはプロマネでなくても、必聴の内容でした。

伊藤さんいわく、プロジェクトの作業の工程を大きく分けると、「企画の具体化」「体験の設計」「工数算出と実制作の精度をあげる」「まとめ」があるといいます。

まずは「企画の具体化」。クライアントの持っているゴールやイメージを明確にするために必要なこと。そのためには、他の人が観ていないリファレンスを探すそうです。伊藤さんは、Red Paper Heart、Ruairi Glynn、Golan Levinなどの海外のメディアアーティストの作品を参考にリファレンスを増やしています。そして、作品の面白さを伝えるために自分の中でも「面白い/つまらないの基準」を探すのだそうです。人の行動や習性に気を向けてみる、その中に面白さの構造を見つけてみるなど、普段から何が面白いのか自分に問うことが、作品に反映されてくるそうです。

そして「体験の設計」は、コンテンツ内部の体験デザインの見どころとルールを設計すること。前述の「PEPSI STRONG BAR」を例にあげて、「誰が体験しても刺激的な体験ができる」「誰が体験しても直感的に操作できる」という二点を意識して、オキュラスの特性を利用した飽きさせない演出を制作したそうです。またユーザーの視点になると、ヘッドマウントディスプレイを付けている体験者以外には楽しさが伝わりにくいので、コンテンツ外部の体験デザインも意識したと語ってくれました。

「ユーザーの視点になって、そのコンテンツの美味しい部分と食べ時を考えること」と例を出し、「大事なインタラクションは、ひととのインタラクション。テクノロジーやデザインの先にいるのは、人間。人に興味を持ち人のことをとことん考える」という言葉で締めくくられました。

続いて盛岡氏からは、「IoTデバイスの開発」の案件を紹介。ブルートゥースを経由してスマートフォンと連携する歯ブラシスタンドの「G・U・M PLAY」のデバイス開発は、2年掛かった広告プロモーションのプロジェクトに、歯ブラシのデバイス自体を作ってしまおうと発展した企画。今年の7月、実際に発売されるそうです。

そして徳井氏からは、「心拍系デバイス」を用いた案件の話に。アーティストに心拍計を付けてもらい、取得したデータを映像やブレスレットに反映させた、コブクロのミュージックビデオ「奇跡」は、大きな話題を集めたそう。エンジニアの心がけとして、問題の解を複数持ち、技術は案件のニーズによって使い分けるというアドバイスが話されました。

イベントを締めくくる懇親会は、同ビル一階にあるバー「エノトリア・ディアーナ天王洲」で、二時間飲み放題のビュッフェスタイルに。アルコールを片手に会社間を超えた交流が行われていました。

Write by 髙岡謙太郎