MARCH.28.2017

第14回 ワーキング・グループ at BIRDMAN レポート「PM、AD、エンジニアが語るBIRDMAN の仕事の流儀」

I.C.E. 加入各社のオフィスを訪問し、社員同士の交流を深めるWG(ワーキンググループ)。今回は国内外のアワードでは超常連のカンパニー、BIRDMANにて開催。千駄ヶ谷の住宅街に突如現れるオフィスには、ソフト・ハード問わずものづくりに向き合うプロフェッショナルが集っていました。

黒にピンクが映える、統一感のある内装のオフィス。職種関係なく2,3ヶ月に一度、プログラムでランダムに振り分ける席替えがあり、いつも同じメンバーで固まらないように工夫されています。開放感あふれる屋上では、たまにクライアントと野外打ち合わせを行ったり、夏には神宮外苑花火大会の特等席に早変わりしたりするという、なんとも羨ましい環境です。

まずは、代表の築地 ROY 良さんから、BIRDMAN の仕事の特徴をお話いただきました。BIRDMAN は40名程度の人数にも関わらず、常に30件程の案件が進行しています。Web制作からプロダクトの開発まで、その制作の幅は多岐にわたります。

たくさんの魅力的な案件が複数並行して進んでいるからこそ、窓口となるディレクターは新規案件が来たら全社員に共有するのがBIRDMAN 流。まずやりたい人が挙手をしてブレストに参加できる、オープンなスタイルを大切にしています。

それでは早速、実案件の話へ。今回は「海外案件の進め方」「リッチなWeb表現でのアートディレクション」「デバイス案件の開発手法」の3トピックでお話いただきました。

想定の時間を大幅に超えたプレゼンは超濃厚な内容で、ここに書けない話も盛りだくさん。そういった情報を知ることができるのも、WGの醍醐味です。とても勉強になるのはもちろん、刺激を受けた参加者も多かったのではないでしょうか。

海外案件はどう進めるか?「Nike Unlimited Stadium

まずはPMの稲田さんから、海外案件の進め方のポイントを。BIRDMAN が関わった海外イベント「Nike Unlimited Stadium」では、テスト実施にシッピング荷物の調整など、乗り越えるべき壁がたくさんありました。また、エージェンシーのBBH Asia Pacific はシンガポール、PARTY NEW YORK はニューヨーク、実地場所はマニラということで、世界中のあちらこちらとやりとりをされていたそうです。

「現地入りするまでのミーティングはほとんどHangoutで行いました。事前に顔を見ながら打ち合わせを重ねてきたので、マニラで合流した時も初めて会った気がしなくて、スムーズに仕事に取り掛かることができました。」

距離があってもリアルタイムで共有できるツールが増え、海外とのやり取りの方法もどんどん進化しています。Google などのツールを駆使して、時差さえもメリットに変える稲田さんの手腕はさすがのひとこと。

案件の全体像やチームメンバーでの振り返りは、BIRDMAN のブログに詳しく掲載されています。ぜひ、こちらも合わせてチェックを。

⇒BIRDMAN WEBサイト インタビュー「ボーダレスな仕事も、 一歩ずつ着実に。

リッチなWeb表現のアートディレクション「ANA IJC MUSEUM

次はアートディレクター長井さんから、複数のアワードを受賞したANAのサイト「IJC MUSEUM」の話題にバトンタッチ。こちらは、日本の魅力を海外に発信するサイトIS JAPAN COOL?で、日本を代表する現代美術作家の作品をデータ化し、Web上で3Dで展示するという企画です。

「オンラインの美術館に展示する作家を選ぶにあたって、Web上での3D表現と相性が良い作品かどうかも検討しながら、ひとつひとつ丁寧に作家ともやりとりをしながら空間を設計していきました。美術館をどんな建物にするかは、建築家の高塚章夫さんにアドバイスをもらっています。Webという仮想空間ならではの建物ということと、追体験をしてもらうためのリアリティをどうしたら表現できるかブレストを重ねました。」

こちらも読み応え抜群のレポートが、BIRDMAN のサイトにアップされています。

⇒BIRDMAN WEBサイト レポート「IJC MUSEUM

BIRDMAN では、自分たちで作ったもののアーカイブをきちんと残す文化が根付いており、それぞれの案件をわかりやすく動画にまとめています。「メイキングの過程などもきちんと残すように意識している。どのみち、アワードに出すときにも素材が必要だからね」と話してくれたのは築地さん。なるほど、確かに...。これまでの経験値からくる話には、説得力があります。

デバイス案件の開発手法「NISSAN INTELLIGENT PARKING CHAIR

ラストを飾るのは、CTOのコバヤシタケルさん。「とにかく実際に、目の前で何かを起こす!そして、人の心の中にある何かをつかむ!」をクリエーションの哲学として制作をされています。

コバヤシさんが話してくれたのは、手を叩くとバラバラになった椅子がきちんと整列するという、日産の自動駐車技術をテーマにした「INTELLIGENT PARKING CHAIR」。

なかでも印象的だったのが、制作の進行スピード。キックオフの翌日に仕様書をクライアントに送り、2週間後にはモックをお披露目。チームみんなのイメージ共有ができたところで、その次のタイミングでは早速モーションキャプチャを組み込み始めていったそうです。た、頼もしすぎる...!

そんなコバヤシさんから、みなさんへのメッセージ。

「ITドカタなんて呼ばれているデバイス案件は、取り返しもきかないし、Gitが使えないのでバージョン管理もできません。それにエンドユーザーからすれば、技術のことはそこまで重要ではないことも多い。でも、僕らはデバイスを使って、たくさんの人に魔法を体験させているんです。

プロダクト制作というより、舞台美術に近い感覚かもしれません。デスクにはいないことが多いし、現場力が試されます。そして最後に大事なこと。『問題は、経験とアイデアで乗り越える!』 これに限りますね。」

濃厚すぎるトークに熱中していたら、うっかり時間は大幅にオーバー。お腹も空いたところで、懇親会に移ります。...が、実は途中からずっと、香ばしい香りに包まれていた今回の会場。何が起こっていたかというと、聞いて驚くなかれ、築地さん自らピザを焼いていたのです!

ここが制作会社の中とは思えない、立派すぎるピザ窯が!

BIRDMAN の3Fには立派なキッチンがあるのですが、その中でも圧倒的な存在感を放っていたピザ窯。「そこらへんの店より断然美味しいから!」そう話す築地さんが、とことんこだわりぬいたレシピのピザを頬張りながらみんなで乾杯! 楽しく美味しい一夜は更けていったのでした。

Written by 八木 あゆみ