今年で2回目の開催となる『U35 Creative & Communication Award(以下 U35 C&CA)』。
企画応募開始(受付期間:2024年9月5日(木)〜10月15日(火))に伴い、9月24日(火)にU35 C&CA 2023の優秀チームとU35 C&CA事務局によるトークセッションを開催しました。
※ 2024年度の募集は終了しました。
※『U35 Creative & Communication Award』は、さまざまな企画の仕事に携わる35歳以下のビジネスパーソンを対象に、挑戦と経験の機会を提供することを目的として開催する、クリエイティブアワードです。協力企業様より実際の事業に即した具体的な課題をご提示いただき、応募者は企画書形式でエントリー、コミュニケーション課題を解決するアイデアとクリエイティブを競います。詳細は特設ページよりご確認ください。
https://dmi.jaa.or.jp/general-browse/view/3741/2
◾️登壇メンバー
U35 C&CA 2023 優秀チーム
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ 太田 亘九/プランナー
株式会社ADKクリエイティブ・ワン 森岡 日菜子/デザイナー・プランナー
公益社団法人日本アドバタイザーズ協会デジタルマーケティング研究機構(以下、DMI)
ソニー株式会社 工藤康平
株式会社良品計画 建石帆乃香(モデレーター)
一般社団法人 Interactive Communication Experts(以下、I.C.E. / 呼称:アイス)
株式会社ワンパク 山地夏菜子(モデレーター)
◾️トークセッションのハイライト ー コンペやアワードに参加する価値とは?
まずはじめに、「コンペやアワードに参加する価値について」というテーマからトークセッションが始まりました。
コンペやアワードは、クリエイティブなアイデアを評価される貴重な機会であると同時に、自身のスキルを磨く場でもあります。若手だからこそ参加することの価値について議論が交わされました。
工藤氏(DMI):U35 C&CA 2023で優秀賞を受賞して周りの方々から何か反響はありましたか?
太田氏(ADK):ありがたいことに、これをきっかけに声を掛けてもらう機会とか、自分の部署の中で受賞した企画を発表して欲しいと言ってもらえる機会が増えましたね。
森岡氏(ADK):優秀賞を受賞したことを会社のSNSに掲載してもらったもので、「投稿を見たよ」とか、他の同期が「私もコンペ出そうと思ってるんだよね」って言ってくれたり、後輩がコンペに挑戦していたり、そういう声を聞くことが増えました。
山地氏(モデレーター):同期からしたら「自分も負けてられない」と思うし、1年目で優秀賞を獲った先輩達がいるらしいって聞くと、「自分も1年目で賞を受賞したい」って思う人も居そうなので、社内で良い刺激になっていそうですよね。
また、建石氏からは若手が参加する価値について次のような意見がでました。
建石(モデレーター):若手を対象にしているからこそ、思い切ってクリエイティブジャンプできる企画が出せるのではないのかなと。
山地氏(モデレーター):若手は0→1で企画を考えたり提案する機会が少ないので、U35 C&CAのような若手がチャレンジして経験を積める機会はとても貴重ですよね。
企画やアイデアの効果的な発掘方法とは?
企画を成功させるには、初期段階での企画やアイデアの発掘が鍵です。アイデアを出す時の効果的な思考の仕方について、議論が進みます。
建石氏(モデレーター):企画アイデアはどういうところを起点に考えたのでしょうか。
太田氏(ADK):今回の企画はスリープスコアを何かに使えたら面白いよね、というところからアイデアを派生していきました。そういう面白そうな種からアイデアを見つけていくパターンと、ビジネス的な課題をしっかり見つけてそれを解決するためにはというアプローチがあるのかを考える、という2つのパターンがあると思います。
森岡氏(ADK):私たち2人の特徴として、私がアイデア起点、太田さんは解決すべき課題起点で企画を考えるタイプなので、今回はそこのバランスが良かったと思います。
工藤氏(DMI):2人のバランスが良かったということですね。それは使い分けてるのですか?
太田氏(ADK):使い分けているってほど意識的にやっている訳ではないのですが、行き詰まった時にアイデアから考えようかなと言う風にやってみたりはしてますね。
工藤氏(DMI):アプローチとしてストックしておいて、この道で行き詰まったらBパターンで考える、などそういう使い方をされているのですね。今回の場合はどうでしたか?
太田氏(ADK):今回で行くとアイデアから思いついたのですが、アイデアを考えながら、同時にイシュー(課題)についても検討し、それらを照らし合わせて「この企画ならこの課題を解決できる」という筋道を立てていく。そうすると、「この方向性で進めた方がよさそうだ」という結論に繋がり、それに基づいてパブリシティ(広報戦略)も決めていく、という感じで進めていました。アイデアから考えついて、イシューも考えてる中で照らし合わせて、この企画がこういう課題を解決できるよね、だからこういう筋が立つよね。ということはこういうパブリシティにした方がいいね、というようにどんどん繋げていくイメージで作っていく感じでしたね。
さらに、それらの情報の集め方やアイデアの引き出しに話が移ります。
山地氏(モデレーター):企画を考える時、日頃からインプットを沢山していないとなかなかアイデアは出てこないと思うのですが、どういうところで情報とかアイデアを集めたりしてますか?
太田氏(ADK):普段の生活の中で触れるさまざまなことに対して「もっとこうすれば良くなるのでは?」と常に意識しながら過ごすことが、重要なのではないかと思います。
森岡氏(ADK):私は、会社に置いてある雑誌を時間がある時に読んだりしますし、普段から企画やアイデアを考えることが好きなので、先輩に「これ思いつきました」とか話しかけに行きますね。
工藤氏(DMI):自然にアウトプットしてるってことですね。
山地氏(モデレーター):先輩にアイデアを聞いてもらうというのがいいですよね。やっぱり自分の中に情報を入れただけだとあまり意味がないので、インプットしたことをアウトプットする機会は必要ですよね。
建石氏(モデレーター):それを壁打ちする相手がすぐ近くにいたりとか、そもそもそれって多分、やろうって思わないとやらないし、内に秘めることも全然できるので、インプット→アウトプットを繰り返しすることを2人ともベースとして持たれていることが、この企画に繋がってたのかなと思いました。
企画を実現させるために必要なこととは?広告主と制作会社、相互理解をどのように深めるべきか?
建石氏(モデレーター):企画を実現させるために必要なことはなんでしょうか?広告主側・制作側からお願いします!
工藤氏(DMI):広告主のフロントマンとして、広告代理店の方や制作会社の方と一緒に企画を育てて考えていくポジションにいたのですが、広告主の「あるある」として、代理店や制作会社の方がこの後どういう段階を経て承認プロセスに入っていくのかを、理解してくれているとすごくやりやすいんですよね。
建石氏(モデレーター):事前に広告主側からお伝えしておく、ということもできそうですよね。制作会社の方にさまざまな事情を理解していただくというのは難しいですけど、お互いの歩み寄りがお互いの時間を無駄にしないために大切だと思います。
太田氏(ADK):情報を得られるタイミングが限られているので、制作会社側はもっと広告主側にヒアリングして情報を聞き出すということが重要だと思いますね。
山地氏(モデレーター):プロジェクトを進める中で「やっぱりもっとこうしたいです」「こういう機能を追加したいです」など、あとから仕様変更になってしまうことがどうしても起こってしまいます。そういったことをなるべく少なくするためにお客さんと細かい部分まで要件をすり合わせる、コミュニケーションを密に取るなど、お互いをより深く理解する必要があると思うのですが、そういったコミュニケーションで何か工夫されてることはありますか?
太田氏(ADK):基本としては文章はしっかり残すとかですかね。
森岡氏(ADK):あとは制作会社側もわかりやすい言葉で理由も考えた上で伝えることが必要ですよね。こういう風に考えたからこの案が良いです、というポイントをちゃんと考えてからプレゼンする。そこが伝わり切ってないと迷わせてしまうと思います。
建石氏(モデレーター):目的意識に立ち返ってお互い歩み寄りながら続けていきたいですね。
これからもこうした議論を積み重ね、さらにクリエイティブな発想と実現力を磨いて行きたいと思います!
取材・文/I.C.E. U35プロジェクト