SOW作業範囲記述書(Statement Of Work)

I.C.E.では、 作業範囲記述書(以下、SOW)の利用を推進しています。
SOWとは、目的や作業の範囲、成果物などを定義した合意文書のことで、複数の人や組織が関わる仕事において、認識の擦り合わせを行います。発注側や制作側の2社間で共通認識を持ちながら、円滑にプロジェクトを進行することができます。

I.C.E.では、比較的容易に導入できる同意書形式のSOWテンプレートを用意しました。どの制作領域でも活用ができて、普段お使いのヒアリングシートと合わせて、使用しやすい書式であることを目指しました。

当ページにて活用方法を記載するとともに、誰でも自由に使って頂けるようダウンロードリンクを設置しました。業務効率改善の一助としてお役立てください。

SOWの活用

共通認識による円滑なコミュニケーション

作業範囲を記述することにより、発注側・制作側の2社間に共通認識を持った状態でプロジェクトを推進することができます。これにより、制作案件で起こりがちな、言った言わない、やるやらないなどの認識違いによるトラブルを未然に防ぐことができます。

記録文書としての役割

プロジェクトが走り出している最中、または運用に切り替わる際などに、受発注の担当者が変更されることがしばしばあります。その際、発注側・制作側の2社間で取り決めた内容が一覧で確認可能、かつ合意が取れた意思確認文書としてSOWが効力を発揮します。特に、長期に渡る運用プロジェクトではSOWがあることで、スムーズに共有・引き継ぎを行うことができます。

要件の見直し・再見積もりの補助に

SOWに記載のなかった要件が追加された際には、スケジュールの見直し、再見積の補助にすることができます。

SOW利用ガイド

1. SOWテンプレート

こちらは発注側、制作側が打ち合わせを行い、内容を埋めたヒアリングシートに同封し、2社間で合意を取るために、担当者レベルで記録を残すためのものです。請負範囲を記したヒアリングシートとセットで提出してください。
必要事項を埋め、双方同意の上、承認のサインと判子を押します。この原本を制作側で、コピーを発注側でそれぞれ所有することにより、2社間の同意を証明するSOWとします。

2. SOWの確認・捺印

I.C.E.が提案する同意書形式のSOWテンプレートでは、プロジェクトの担当者(PM)同士が捺印をすることを想定しています。関わるすべての人がヒアリング項目の確認を終えて、発注側、制作側どちらも内容に合意の上、担当者が捺印するようにしてください。
なお、大規模なプロジェクトや、個人情報を取り扱うなど権利・プライバシー情報を慎重に扱う必要があるなどのように、プロジェクト担当者の責任範疇を超える場合はその限りではありません。場合によって、会社の代表者の確認・捺印が必要になることもあるので、適宜判断をし、必要範囲を定めるようにしてください。

プロジェクトに関わる人 プロジェクトに関わる人

3. SOW利用のタイミング

SOWを制作側から発注側に提案・提出するのは、見積もり・スケジュールを提示するタイミングが最も望ましいです。本来は、1次SOW(「I. 企画 企画決定」)と2次SOW(「II. 設計 仕様決定」)など、制作が次の工程に移行する"後戻り不可"のタイミングを想定しています。
なお、1次SOWの提出タイミングは、発注側から制作側が指名されている場合は見積もりの際に、またコンペの場合は正式な発注が決まるタイミングが良いでしょう。

より詳細な業務フローは制作プロセスマネジメントハンドブックに掲載されています。ぜひご参照ください

プロジェクトに関わる人

4. ヒアリングで作業範囲を明確にする

SOWは、作業範囲(要件)をリスト化した「ヒアリングシート」をセットにして提出します。
ヒアリングシートとは、発注側と制作者の間で、プロジェクトで共有すべき諸項目を書き出した一覧のことです。プロジェクトをゴールに導くために、話し合う土台となるヒアリングシートは重要な役割を果たします。

I.C.E.では、同意書形式のSOWテンプレートとともに使用推奨する「ヒアリング項目リスト」を作成しました。これはヒアリングシートそのものではありませんが、制作において発注主にどのようなヒアリングをすると効果的かなど話し合い、項目を洗い出した文書です。これらの文書は誰でも自由に使っていただけるようダウンロードフリーにしています。
ここに示されていないヒアリング項目や、業態により不要な項目もあるので、活用にあたってはそれぞれ実情や、独自の提案スタイルにも照らし合わせながら、有意義なヒアリングシートを作成してみてください。

また、案件の進行度合いによっては、ヒアリングシートではなく、より内容を明確にした「要件定義書」とSOWをセットにして提出するなど、フェーズにあった書類を適宜選んでご利用ください。

注意事項

Q&A

SOWを運用に組み込むにあたり、制作の現場から挙がった質問にお答えしています。ぜひご参考ください。

Q1. SOWを導入すると、どんなメリットがありますか?

A1. 作業範囲を記述することにより、発注側・制作側の2社間に共通認識を持った状態でプロジェクトを推進することができることです。 プロジェクトは発注して終わりではなく、発注側・受注側の協働作業が欠かせません。その中で、作業範囲を「明確」にすることは、受注側、発注主側双方にとって大きなメリットとなります。

具体的には、

  • ・不明瞭な進行によるプロジェクトの破綻や工数の増加、品質不良のトラブルを未然に防ぐ
  • ・言った言わない、やるやらないなどの認識違いによるトラブルを未然に防ぐ
  • ・作業範囲が明確なので、制作に適した人員をアサインし易くなる
  • ・発注側、制作側の2社間で取り決めた内容が一覧で確認可能な記録文書になる
  • ・SOWに記載のなかった要件が追加された際に、スケジュールの見直し、再見積の補助にできる

具体的には、などの効果が期待できます。

具体的には、また、SOWは「トラブルを未然に防ぐ」ことに対し大きな効果を発揮するので、経験の浅い担当者間の案件で使用すると、特に効果的です。
共通認識による円滑なコミュニケーションのため、是非SOWの導入をご検討ください。

Q2. 誰が使うことを想定していますか?

A2. 誰が使うか、とのことであれば、案件に関わるすべての人です。
「担当者箇所に署名捺印する人」とのことであれば、該当プロジェクトの責任者、または窓口となるアカウント・ディレクターなどが使うことを想定しています。

Q3. SOWはいつ作成しますか?また、どのようなタイミング、説明で提出すると良いですか?

A3. 請負内容を基に、見積とスケジュール(概算含む)を提示するタイミングで都度提出します。
初回提出時には、(1)作業範囲(要件)を定める合意書であること、(2)請負内容によって変更となることを説明します。

Q4. 要件が変更になった場合、SOWの変更は可能ですか?

A4. そもそも、追加要件が見積もりに影響があるものであれば、関連資料の更新は絶対に必要になります。
その際、指針となるSOWがあれば必ず役に立つでしょう。発注側・制作側双方の負担を減らすためにも、都度きちんと更新しましょう。

Q5. SOWは初期開発(公開・実施)の為に作成すれば良いですか?

A5. はい。まずは、公開・実施を意識してSOWの範囲を設定すると良いでしょう。

ただし、案件によっては、その限りではありません。大規模なプロジェクトでは、公開・実施で終了ではなく、その後も長く保守・運用を行う事が多くなります。
例えば、Web制作であれば、ドキュメント類、実装手法(コーディング規約など)、サードパーティーアプリケーションの利用やフレームワークの活用、テスト手法、テスト自動化など、あらかじめ計画・作業範囲の定義を行う事で、安定した案件の長期運用につなげる事ができます。

Q6. SOWで参照する「別紙」はヒアリングシートのみで問題ないですか?

A6. 案件の進行度合いによっては、ヒアリングシートではなく、より内容を明確にした要件定義書や、保守に関する書類に適宜変更して使用してください。

取引整備委員会 SOW分科会

委員長久山 和宣(株式会社 ベースメントファクトリープロダクション)
メンバー
  • 岡田 行正(株式会社 パズル)
  • 神谷 菜美(株式会社 パズル)
  • 木村 啓一郎(株式会社 インフォバーン)
  • 坂手 宏充(株式会社 博報堂アイ・スタジオ)
  • 施井 史(株式会社 ベースメントファクトリープロダクション)
  • 高橋 麻衣(株式会社 ベースメントファクトリープロダクション)
  • 田中 陽介(株式会社 博報堂アイ・スタジオ)
  • 中元 一隆(株式会社 博報堂アイ・スタジオ)
  • 中尾 仁士(株式会社 電通クリエーティブX )
  • 根本 拓馬(株式会社 インフォバーン)
  • 長谷川 徹(株式会社 電通クリエーティブX )
  • 広瀬 那生登(株式会社 フォーク)
  • 藤岡 泰治(株式会社 ワンパク)
  • 前田 文美(株式会社 BIRDMAN)
  • 山垣 一(株式会社 博報堂アイ・スタジオ)
  • 横田 佳祐(株式会社 BIRDMAN)
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