2022.01.18 PR委員会 EVENT REPORT
2021年12月14日(火)に、一般社団法人 Interactive Communication Experts(以下I.C.E.)の『第10期 定時社員総会』が開催されました。理事メンバーのみが集まり、加盟各社はオンラインでの参加となった本会は、前理事長 小池博史(株式会社ノングリッド)の開会挨拶でスタート。コロナ禍の活動で制限があった面もありつつも、オンラインによる横のつながりは活発化した前期を評価しつつ、今期はそれらを見直しながら、インタラクティブ業界に寄与する活動をしてきたいと述べました。

第9期決算報告

第9期(2020年10月~2021年9月)の決算について、監事の久山和宣(株式会社ベースメントファクトリープロダクション)より報告がありました。加えて、第7期(2018~2019年)、第8期(2019~2020年)決算書の修正についての報告も添えられました。これらの内容は事前に展開されたWeb投票にて全加盟社の承認があり、可決となっています。なお、過日執り行われた理事会選挙にて、久山監事は再任となり、今期もI.C.E.を支えていきます。

「コロナ禍により対面でのコミュニケーションが減ったことで、会議費用も減りました。I.C.E.は非営利団体ですので、お金を貯めるのではなく有意義に使っていくことが重要です。コロナが収束に向かったあとにどう有意義に使っていくかを課題とし活動してまいりましょう」(久山)

第9期活動報告と第10期活動計画発表

続いて、7つの委員会より第9期の活動報告と第10期の活動計画が発表されました。
組織図についてはこちらをご覧ください

▼マネジメント委員会
マネジメント委員会は、労務、労働環境改善に関してI.C.E.として態度表明をおこなうこと、また、経営者同士の交流やI.C.E.のご紹介・勧誘の場づくりすることを目的として活動しています。なお、長らく本委員会の委員長を務めてきた阿部淳也が今期より理事長に就任したことにより、委員長は小池博史理事に交代、阿部理事長も参画しながら、継続的に取り組んでいきます。

「毎年おこなっている働き方の定点調査を2022年1月初旬までの期間、実施しています。1月末までに集計したものをプレスリリースで配信、3月までに調査をもとにしたセミナーを開催する予定です。今期からは小池さんに交代しますが私も継続してサポートしていきます」(阿部)

「2022年度も働き方の定点観測は引き続きおこなっていきます。また、クリエイティブ業界の評価制度(定量定性)調査やキャリアプランの調査を新たにおこなっていきたいと考えています。これからの働き方の参考となる情報提供のほか、オンラインイベントの実施も予定していますので、ぜひご期待ください」(小池)

▼人材育成委員会
人材育成委員会は、現場スタッフのコミュニケーション、制作ナレッジの共有、制作スキルアップを目的として活動しています。

「第9期では、加盟社が集ったディレクター座談会、岡田理事による人材育成セミナーワンパクの阿部理事による人材育成セミナー 、株式会社ディー・エヌ・エー 香城氏による外部講師会 と4回のセミナーを開催しました。10期もさらに活動を活発化し、外部講師会や人材育成セミナーを開催するとともに、同職種対談会や会社紹介LT会も複数社でできればと考えています。直近では2022年2月頃にアートディレクターの人材育成セミナーを開催予定ですのでふるってご参加ください」(遠崎)

▼クリエイティブ委員会・リクルート分科会
本委員会のリクルート分科会は、学校との連携したリクルーティングや、会員社の若手を育てることを目的として活動しています。

「第9期はCINRA × I.C.E.のオンライン合同企業説明会を企画していたものの、コロナもあり開催中止となりました。今期は、合同企業説明会は取りやめ、I.C.E.業界セミナーを再開する予定です。こちらは、新卒及び中途採用者を対象とした、I.C.E.加盟会員社への興味・関心を喚起するためのイベントとなります。現在決定しているのは、新卒学生に向けた大阪芸術大学での開催です。デザイナーやディレクターなど職種で分けたイベントを予定していますので、これをパッケージとし、各地方で展開できるよう取り組んでまいります」(富永)

▼クリエイティブ委員会・I.C.E. Creative Lounge分科会
本委員会のI.C.E. Creative Lounge分科会は、I.C.E.会員に対してナレッジシェアと、イベントをきっかけとした外部へのI.C.E.認知拡大を目的として活動しています。

「これまで『SXSW』と『カンヌライオンズ』をテーマに年2回のリアルイベントをおこなっていましたが、9期はコロナ禍により開催できませんでした。みなさんの交流の場という意味でもご好評いただいていましたので、状況を見ながらリアルでの開催も視野に入れつつ、今期ではオンラインでのラウンジイベント開催を目指し活動していきます」(木下)

▼ビジネス委員会
ビジネス委員会は、制作環境整備と取引整備を目的として活動しています。

「コロナ禍で思うようにことが進みませんでしたが、月刊『広報会議』の2021年10月号にてI.C.E.として取材を受けた『サイト制作の準備と段取り 超入門』という記事が掲載されました。また、出版社の宣伝会議が2年に1度取りまとめて発行している広告制作料金基準表(アド・メニュー)でデジタル領域に関する取材があり、そちらは2022年1月に発売予定です。10期に関しては、I.C.E.のWebサイトにある制作ガイドラインの内容を点検しアップデート。さらに、I.C.E.としての見積書式は廃止し、トレンドにあった見積項目をサイトへ掲載していく予定です。これらは会員社さまの知見が必要となります。そこで委員の募集をし、現在12社15名の方々のご協力で2022年1月に対面でキックオフをおこないます。その後、毎月最終木曜に定例会を実施する予定です」(岡田)

▼PR委員会
PR員会は、業界及び業界を目指す者へのI.C.E.認知向上を目的として活動しています。

「9期では、Working Groupのレポートを5本、Facebookへの投稿13本、会員社用メッセンジャーグループ作成、事務局用WEBサイト更新/メッセンジャー管理マニュアル作成をおこないました。10期も引き続きレポート作成やSNS更新、WEBサイトの更新・改修、対外的なリリースの作成と配信をおこなっていきます。今後は各委員会と連携しながら今の時代にあった発信方法、魅力的に見えるテーマ設定を考えていければと思います」(藤本)

▼総務委員会
総務委員会は、団体としての未来=拡大を見据えた基盤づくりを目的として活動しています。 法整備(定款・会員規約、諸規定整備、人事)総会準備サポートなどをおこなっています。

「第8期より発足いたしました総務委員会ですが、9期は加盟社の拡大にともなう団体規模拡大を見据えた法整備を中心とした取り組みをおこなうことを想定し、一般社団法人の機関設計として自団体の法整備、自団体人事・総会準備のサポート、手続きのスマート化、事務局の管理を行動目標に定めました。結果として、総会の準備と進行、役員変更登記手続き、理事管理選挙などをおこないました。10期おいては、I.C.E.の規約、理事および監事選挙規定の見直しと、懇親会に代わる会員イベントの開催とイベント運営を計画しております」(山垣)

以上の発表された第10期の活動計画について、予算説明が山垣理事からおこなわれました。ここからは、例年なら懇親会でおこなわれる新規加盟社の挨拶などを抜粋して紹介していきます。

新加盟社・新任理事・理事長からのご挨拶

▼新規加盟社・株式会社ガジェログ
「弊社では以前からI.C.E.のWEBサイトにあるガイドラインを見て社内共有をしておりました。入会にあたっては、経営者というよりも、社員のみんなが制作プロダクションの方々、同業者の方々とコミュニケーションできる場がないかと考え参画いたしました。今後、何か一緒に発信できればと思っています」
▼新任理事・石井義樹(株式会社キラメキ)
「キラメキは映像の制作会社ですが、Webやアプリなど制作領域を広げてきました。これからWebやデジタルに強い他社のみなさんと知り合うことで、会社のスタッフ全員にとっていい交流ができればと思い加入、今回理事を務めさせていただくこととなりました。海外のクリエーターとのクリエイティブ制作がわが社の得意とするところですので、海外の事例などで何かお力になれるのではと思っています。また、働き方改革含め、日々悩んでいるところはみなさんと一緒だと思いますので、何かできればと考えています」
▼新任理事・小川丈人(株式会社ナディア)
「I.C.E.は創立から注目し、皆様の活躍に追いつけ追い越せという思いを持ってデジタル・クリエイティブにたずさわってきました。コロナによって企業側にもDXが強制された環境下において、I.C.E.の “デジタルコミュニケーションによってソリューションできる力” は、これから世の中にどんどん求められていくのではないかと思います。また、I.C.E.が掲げているビジョンに貢献できるよう、これまでの理事が積み重ねられてきたことを引き継ぎながら、新しい理事として頑張っていきたいです」
▼新任理事・松岡芳弘(株式会社東北新社)
「弊社は広告の映像、エンターテインメントのコンテンツ制作が中心の会社ですが、デジタルを強化していかなくてはいけないと考え、3年前にI.C.E.に加入させていただきました。今回、クリエイティブ委員会を担当する理事ということでご選出いただき、その分野を中心としてより一層業界を盛り上げていけるよう取り組んでまいります」

▼新理事長・阿部淳也(株式会社ワンパク)
「徐々に団体としての骨格が固まり、今期で10期目となるI.C.E.で、この度新たに理事長を拝命いたしました。加盟各社の方々には、調査へのご回答やイベントへのご参加など、積極的にI.C.E.との関わりをもっていただくことをお願いしたいです。われわれ理事会としては、I.C.E.の掲げるヴィジョン/ミッションの整理をし、デジタル領域の需要が高まるいまの時代にサポートできる団体として成長していきたいと思っています。また、クライアントとなる事業会社の方々との接点や業界団体との連携も模索していければと思います。このデジタルクリエイティブ業界でワクワクするような仕事ができるよう、加盟各社の皆様、ぜひご協力よろしくお願いいたします」

理事全員がおこなった挨拶に共通していたのは、いま業界の変革期という意識があり、そこに対する期待と危機感を抱いていること、またそんな時代だからこそ、I.C.E.の活動はますます重要なものになっていくということでした。本レポートでは多田理事の言葉をご紹介します。

「広告も映像もデジタルも、クリエイティブ業界全体がいま大変な変革期にあります。収益構造すら考えなくてはいけない時代に来ているいま、各社と情報共有をし、業界のみんなで一緒にこの変化に向かっていくことが大切だと思いますので、理事だけでなく加盟社の現場スタッフのみなさんもぜひご参加いただきたいと思っています」(多田)

現在、加盟社は19社。今後も切磋琢磨しながら、環境整備やクリエイティブを高める関係性を築いていきましょう。

なお、本会で理事及び理事長、監事の選任については本会の決議をもって正式に就任となりました。新体制については全理事のご挨拶とともにプレスリリースを配信しておりますので、こちらをご覧ください。

写真提供/I.C.E.広報委員会 撮影/西田優太|Yuta Nishida
取材・文/富山英三郎|Eizaburo Tomiyama